大きくて重たいから暖かい 4×5

sinar s

まさか私が大判で撮るとは思ってもいなかった。
どっしりとした三脚にすえつけて、黒い布をかぶって、ポラ切って。。。と。
あれはアシスタントをつけるようなカメラマンが使うもの と思っていた。
でもふと考えてみた。
デジタルバックを2年前にはじめて使ったときもそう思ってたんだと。
あれは スタジオでアシスタント付きのカメラマンのものと。
世の中だってそう思ってた。
私がデジタルバックを使っているということで物撮りカメラマンになるの?なんて言われていたらしい。
残念ながら私には物撮りを完璧にこなす技術はない。
だから、当たり前のように家の近所を楽しくデジタルバックで散歩していたのだ。
解像度が高くなって、目でみるよりも良くみえていたりして。
その写りすぎてしまう絵があるからこそ、少し間引いた感じの和紙へのプリントなんかもとても楽しい。
大判だって先入観で排除してたら、楽しさを食べ損ねちゃうかもしれない。
いったい何がどう楽しいのかよくわからないまま、初めてみることにした。
まだまだかっこ良く、無駄のない動きはできない。
えっと、えっと ってぐるぐると三脚の回りを回っている。
それでも少しずつ、茶道を究めるように、そぎ落とされた動きができるようになりたい。
1枚撮ったあとの疲労感。これがとても気持ちがいい。
すでに頭の中にある絵を ピントグラスの額縁のなかにカメラの向きを合わせておさめて行く感じ。
もちろん大判でも相変わらず撮るものは家やアトリエの近所。
とにかく楽しすぎる。
デジタルはコンパクトかデジタルバック
フィルムはトイか大判
それぞれ比較されるべきものでもなく、共通点は写真を撮るツール。
ツールを変えると、同じ場所でも気持ちも、見えるものも変わってくる。
いろんな視点を持てるというのは とても面白いものだ。

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