ころころこころ

hasselblad500C/M+Distagon50mm+Phase One P25

私の行動半径はとても狭いみたいだ。
阿佐ヶ谷 阿佐ヶ谷といっても いまだに道に迷うほど。
本にもかいているけれど、小学校の学区域すらカバーしていないほど。小学校から自分の家、そして
その近辺だけをぐるぐると歩いている感じ。
だからカメラを持って近所を歩いていてもおおよその方向はわかるものの、時折 あれ?こんな道
あったんだ、と思うことがある。車も通れないような細い道だから、昔からあるはずの道。
カメラを持って歩くことで、行動半径こそ変わらないものの、その中で毛細血管のような細い道まで
もなめるように歩くようになった。
今日だって、ふいに角の家が取り壊され更地になったまま夏を超えたところに出た。道にまで雑草が
生い茂って、春先にはタンポポが咲き乱れていたその細い路地に入る事すらできなくなっていた。
ころころと道に転がっていた実。
ころころともう少しころがっていくのか、子供たちが蹴っ飛ばして遠くまで運ばれて行くのか。
それでもきっと この実と私の行動半径は似たようなものだと思うとなんだか愛おしさが増す。
出かける範囲が狭いなら、せめて心、精神は広く広くしていたい。
一つの事に没頭すると、気がつかないうちにものすごく狭い世界の重箱の隅をつつくような生活に
なってしまう。細かい部分を追い求めて行く事も大切だし、必要なことだとは思うけれど。
時折 小さく丸めて硬くなった身体をうんと伸ばして、少し遠くの、一見関係なさそうなものごとに
目を向けてみよう。興味の異なる違う世界で生きている人と関わりを持ってみる事も大切だと思う。
一度体を伸ばしてみると、また小さく体を丸めても無理が少なく柔らかくまんまるになれる気がする。

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